しかしそこはレストランであるから、「場違いな客」が来ても決して追い返したりはしない。むしろ店の人も他の客も自分達が美味しいと思うもの(しかし「外国人」にはきっとその美味しさは分かりづらいであろうと思われるもの)に対して、その人がどんな反応をしめすか興味津々に眺めている、ということのほうが多い。このシリーズの写真はそんなささやかな文化交流の瞬間がテーマである。混み合ったレストランのなかに1人、どうもそぐわない感じだけれど何となく楽しそうな人がいる。ロスアンゼルスという都市のもろさと優しさ、その多民族主義の現実がなんでもない風景に溶け込んでいる。 |